安楽死とは


安楽死とは

安楽死とは? 尊厳死との違いは?

安楽死とは? 尊厳死との違いは? 安楽死とは、明確な定義がされていませんが、一般的に認識されているのは「患者が治る見込みのない病気で、余命もあまりなく、耐え難い苦痛に苦しんでいる場合に患者の希望に沿って医師などが積極的にあるいは消極的に患者を死亡させること」です。

安楽死が「患者を耐え難い苦痛から少しでも早く救うために死を早めること」であって、尊厳死が「患者の意思に従って、過剰な延命治療を行わないこと」とは結果的に死が早まる点は同じですが、尊厳死は死を早めることを全く意図していない点で異なります。

安楽死には「積極的安楽死」と「消極的安楽死」があります。「積極的安楽死」は言葉通りに死ぬことを目的として薬の投与などの行為を行うことです。「消極的安楽死」は延命できる方策がありながら、その行為を行わずにいることです。言葉的には「消極的」という言葉ですが、延命できることを敢えて行わないというのは「積極的に」に延命行為を行わないという言い方もできます。


安楽死とは? 尊厳死との違いは? 消極的安楽死と尊厳死は非常に近い考えで、日本尊厳死協会は消極的安楽死をもって尊厳死と考えています。しかし、尊厳死には延命する・しないよりも個人の人間としての尊厳が尊重されて延命治療を行わないことです。一方、消極的安楽死は、いわば医学の発達していない昔の時代のように患者を見守ることしか術がないものとして(実際は延命治療ができるにも関わらず)何も行わないことなので、自然死と同一と考えられています。

世界では、積極的安楽死を少数ですが認めている国があります。スイス、アメリカ(オレゴン州、ワシントン州)、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグなどです。日本では、安楽死については法的にも社会的にも認める方向の議論はなされていません。尊厳死に関しては立法化の動きがあります。